バイオメディカル
バイオメディカル
確立した表面分析の用途のひとつが、金属やポリマー表面の化学状態と、生体親和性との相関の解析です。バイオメディカル分野において成長が著しい、バイオセンサー技術の開発や細胞培養に適した培地マトリクスの表面処理などの用途で、表面分析は蛋白質などの表面付着有機物量・官能基の評価に使われています。
表面の評価(XPS, TOF-SIMS, AES)
表面の組成は、バイオメディカルデバイスの機能に極めて重要です。XPSでは、定量的な化学状態情報が得られ、表面組成の分析と評価ができます。TOF-SIMSによって、XPSでは得られない分子構造情報と痕跡元素の検出ができます。また、AESによって元素情報と特定の化学状態情報が高い空間分解能で得られます。
図1: X線誘起二次電子像(SXI)とマイクロX線光電子(XPS)スペクトル
冠動脈ステント表面の局所的な汚染が上図のSXIで認められました。汚染領域のマイクロXPSスペクトルから、汚染が有機フッ素化合物であることが示されました。
図2: バイオセンサー表面のTOF-SIMSマスイメージと化学構造式
バイオセンサーに用いられるリガンド(生体物質に特異的に結合する物質)の分布がTOF-SIMSイメージによって明瞭に示されました。