イベントレポート : 2020 ユーザーズミーティング
2020.05.29 Update
イベントレポート : 2020 ユーザーズミーティング
アルバック・ファイ 分析室より
基礎講座番外編
まず最初に、当社分析室から「基礎講座番外編」を実施しました。 今回は事前に、今さら聞けないご質問や困っていることを募集し、その内容に答える形で発表しました。
基礎講座の回答集として「表面分析基礎講座」をクラブ・ファイ 装置ユーザー様限定で公開しています。
国際学会報告
続いて2019年に開催された国際学会「ECASIA’19」「AVS 66th」「SIMS‐22」「PSA-19」について、当社および PHI USAからの発表を中心にご紹介しました。
ご発表
「表面解析による材料・製品の機能研究」
花王株式会社 解析科学研究所
池田 玲子 様
花王株式会社 解析科学研究所では、同社が扱う様々な材料や製品を対象に分析・研究しており、その分野はハウスホールド、パーソナルケア、化粧品から化学品まで非常に多岐にわたっています。今回、池田 様からは、身近なものを対象に TOF-SIMSを用いた機能解析事例をご紹介いただきました。
歯を対象にした事例では表面からの深さ方向分析および断面のフッ化物の分布分析から歯を白く見せる「光散乱効果」の解析、皮膚表面にある角層組織(5~10 μmの厚さ)断面の浸透状態解析から「皮膚のバリア機能改善」の検証、さらにシリコーン製剤コーティング表面の撥水性と成分分布から「表面改質剤の機能解析」と多彩な事例をご紹介いただきました。
TOF-SIMSの特長を生かした直接的な機能検証の様子がとても分かりやすく、表面分析を身近に感じることができました。今後の新たな材料開発や製品が大いに期待されるご発表でした。
「PHI Quantesを活用した埋もれた界面の化学状態分析」
古河電気工業株式会社 研究開発本部
先端技術研究所 解析技術センター
西田 真輔 様
古河電気工業株式会社の西田 様からは、2018年に導入いただきました PHI Quantes の最新の分析事例をご発表いただきました。PHI Quantes へのご興味・お問い合わせが多く、ご発表を楽しみにされていたユーザー様も多かったのではないでしょうか。
PHI Quantes が有する利点;2つのX線源によるピーク重複回避、膜厚10 nm以上の多層膜における埋もれた界面の分析、角度分解分析への応用、など魅力にあふれたご発表をいただきました。さらには、SPring-8(放射光施設)での測定結果を交えて、PHI Quantesの性能とご比較されていた点も非常に興味深かったと思います。
硬X線光電子分光法(HAXPES)の分析経験の無いユーザー様も同手法の長所・短所が分かりやすく、「貴重な場になりました」というお声もいただくことができました。
すでにPHI Quantes は世界各地に出荷・納入されており、硬・軟X線を用いた手法のさらなる広がりに期待しています。
アルバック・ファイより
GCIBを再考察 ~ 無機材料への応用はどこまで進んだのか~
コーヒーブレークをはさんで当社分析室より、表面クリーニングから無機酸化物の状態分析まで、XPSにおけるガスクラスターイオンビームの応用をあらためて見直す内容で発表を行いました。
営業からのお知らせ
最後に、営業より「PHI Quantes」の新しいオプション「Arモノマー/GCIB デュアルイオン銃」など、最新情報をご案内しました。
ユーザーズミーティングで当社が発表した内容(配布資料)は、クラブ・ファイの装置ユーザー会員様用コンテンツ「過去の発表資料」内でダウンロードいただけますので、ぜひご活用ください。
(注:「過去の発表資料」は、装置ユーザー会員様限定で公開しています。クラブ・ファイ(一般)会員様はご利用いただくことが出来ませんが、何卒ご了承ください。)
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