イベントレポート:JASIS 2015
2015.10.13 Update
イベントレポート:JASIS 2015
ブースでは様々なお客様のニーズやご質問に対応するため、パネルや説明資料・ウェブ等を使い、幅広い情報を提供できるよう準備いたしました。会期中は既存機種に関する情報入手、最新機種・新技術に関するご質問だけでなく、「表面分析はどんなものなのか?」に興味を持った方にもお立ち寄りいただき、ブース内は3日間を通して大変盛況でした。
新技術説明会では、最新トピックスを2件発表しました。
新製品・新オプションに関する内容だったこともあり、発表後に多くのご質問をいただき、今回の発表内容への関心の高さが伺えました。
「ラボ型 硬X線光電子分光分析装置の開発紹介 -最新の基礎的データを中心に-」
当社は走査型マイクロフォーカスX線源として、CrKα線(硬X線光電子分光の励起源)と、AlKα線(一般的なXPS装置の励起源)を同時搭載し、かつ、自動帯電中和機構も兼ね備えたラボ型硬X線光電子分光装置を開発中です。
今回は、硬X線光電子分光の特徴や、CrKα線とAlKα線を同時搭載するとどのようなメリットがあるのかを説明し、実際の測定データもご紹介しました。(発表者:分析室 井上りさよ)
「FIB-TOF-SIMSによる最新の有機・無機材料の分析事例」
拡張性の高い当社TOF-SIMS装置(PHI nanoTOF II™)のオプションとして、新たにFIB銃が加わりました。これにより、FIBによる断面加工からTOF-SIMS観察までひとつの装置内で行えるようになりました。
今回、このFIB-TOF-SIMSによる[リチウム電池][燃料電池][無機/有機多層膜試料]の3つの分析事例を紹介しました。FIB-TOF-SIMSは超高真空装置内で断面加工・断面観察が可能なため、大気に触れると変質するリチウムイオン電池の分析には有効なアプローチとなります。また、無機/有機多層膜試料では、FIB加工により有機層に形成されたダメージ層をAr-GCIBにより除去する試みを紹介しました。
(発表者:分析室 飯田真一)