有機ELなどの有機半導体デバイスでは、伝導帯の電子状態が材料とデバイスの性能に直結します。近年、低エネルギー逆光電子分光法(LEIPS:Low Energy Inverse Photoelectron Spectroscopy)が提案され、これまで測定が困難だった有機物の伝導帯や電子親和力が再現性よく測定できるようになりました。
反射電子エネルギー損失分光(REELS:Reflection Electron Energy Loss Spectroscopy)は、炭素材料をはじめとした各種材料表面の化学状態や電子状態の情報が得られる分析法として要望が高まっています。各種オプション構成が可能な PHI 5000 VersaProbe IIIに、新たにREELS測定用の低エネルギー電子銃オプションを追加しました。
ガスクラスターイオンビーム(Gas Cluster Ion Beam, GCIB)技術は京都大学で開発された日本発の先端技術です。GCIBはアルゴンなどのガス原子(分子)数千個程度から形成されるイオンビームで、既存のイオンビーム技術では達成できなかった1原子当りのエネルギーが極めて低いイオンビームエッチングと、エッチング後の表面の平坦化が実現します。